「改訂第7版 LaTeX2ε美文書作成入門」のメモ
1章 TeXとその仲間
特になし
2章 使ってみよう
SyncTeXはエディタとPDFプレビュー画面との相互リンクのための仕組み。
PDFビューアではSumatra PDF、テキストエディタではemacsが対応。
TeX Liveのマニュアルを見るには、例えば
texdoc jsarticle
と打ち込む。
3章 LaTeX2εの基本
デフォルトの英文フォントはComputer Modernフォント。
Timesにするには
\usepackage{newtxtext}
とする。
以下の命令により段落での字下げをしないようにできる。
\noindent
\hspaceや\vspaceは、行頭・行末およびページ頭・ページ末では出力されない。
出力したい場合は*をつけ\hspace*や\vspace*とする。
4章 パッケージと自前の命令
\newcommand{\commandname}{abcde}
により、\commandnameという命令が作成される。
命令の名前には記号や数字は入れてはいけない。
環境も定義できる。方法は割愛。
自前の命令や環境をhoge.styに保存(パッケージ化)して呼び出して使うことができる。
5章 数式の基本
数式には2つのスタイルがある。
本文中の数式である「インライン数式」と、別行数式である。
これらを明示的に指定するには\displaystyle、\textstyle、\limits、\nolimitsを使う。
数式番号の参照は\refだが、数式のページの参照も\pagerefでできる。
プログラムの組版はp.103に記載の例を参考にする。
行列はamsmathパッケージを使う。array環境は罫線を引く場合以外は不要。
6章 高度な数式(重要)
amsmathとAMSFontsを用いる。
プリアンブルには
\usepackage{amsmath,amssymb}
と記載する。
ただしTX/PXフォントなどはAMSFontsの機能を含むので、AMSFontsを読み込む必要はない。
\usepackage{amsmath}
\usepackage{newtxtext,newtxmath}
でよい。
数式中のテキストは以下。
\text{hoge}
数式中の点々は、\dotsと書けば適切な種類を判断してくれる。
数式中の空白は\mspace{5mu}と\mspaceを使う。
高さ、深さを揃えたい場合は\smashを使う。p.113を参照。
演算子を定義する場合はp.114を参照。最適化の定式化(minimizeの下に設計変数を入れる)に使える?
場合分けは\casesを使う。p.116を参照。
別行数式はp.118を参照。環境がいろいろあって少しややこしい。
複数の数式を位置を揃えて並べるにはalign、
数式番号を中央に振る場合などにはaligned、
数式どうしの間隔を自分で制御するにはalignat、
揃え位置の無い複数行の数式はmultlineを使う。
数式番号の非表示は\notagでできる。
amsmathパッケージでは数式番号の参照は\eqrefが使えて便利。
7章 グラフィック
パワポなどで図を描き、PDFで保存してLaTeX文書に挿入できる。
グラフィックを扱うにはgraphicxパッケージを読み込み、\includegraphicsコマンドを使って図を挿入する。
graphicxのオプションにはdraft、final、hiresbbがある。
draftとhiresbbは図ごとに個別に設定できる。
図のサイズの調整に良さそう。
図の場所は\graphicspath{{sub1/}{sub2/}}という命令で指定する。
枠囲みにはtcolorboxパッケージを使用する。
8章 表組み
表はLaTeXではなくエクセルで作成するのが好みなので省略。
9章 図・表の配置
図の位置を指定する「H」を使用するにはfloatパッケージが必要。
図目次を作成することもできる。その際、目次用の説明文とキャプション用の説明文を用意できる。
図表のキャプションを変更するには以下のコマンドをプリアンブルに加える。
\renewcommand{\figurename}{Fig.}
\renewcommand{\tablename}{Table.}
独立した図を並べるにはminipageを、関連した図を並べるにはsubcaptionを使う。
subcaptionの使用にはsubcaptionパッケージが必要。
10章 相互参照・目次・索引・リンク
目次で出力レベル(章までか節までか、など)を変更するには
\setcounter{tocdepth}{2}などとする。
11章 文献の参照と文献データベース
特になし。BibTeXを使おう。
12章 欧文フォント
難しいし、意義があまりないので省略。
13章 和文フォント
明朝体はセリフ体に相当する。横線が縦線より細く、横線の右端にウロコと呼ばれる三角形の飾りがある。
ゴシック体はサンセリフ体に相当する。先の太さがほぼ一定。
それ以外は難しくてよくわからない。
14章 ページレイアウト
ページレイアウトを表示するパッケージlayoutがある。
それ以外は難しい。
15章 スタイルファイルの作り方
省略。
16章 美しい文書を作るために
英数字は欧文文字で統一したほうがよい。
一方、句読点や括弧は、和文では和文用(全角)を使うほうが一般的。
TeXはハイフネーションを知らない。
プリアンブルに\hyphenation{post-script}と書いて教えてあげるとよい。
改ページしない改行\\*を使うと改ページしにくくなる。
図の位置の調整は自動任せにはできず、視覚的な調整が必須とのこと。
17章 LaTeXによる入稿
前付、本文、後付は\frontmatter、\mainmatter、\backmatterで開始を宣言する。
いかにして問題を解くか
心に残った言葉をメモ。
■問題を理解すること
・未知のものは何か。与えられているものはか。条件はなにか。
・条件は十分であるか。
・条件を分離せよ
■計画をたてること
・似た問題を知っているか。
■実行
・各段階を検証せよ。各段階が正しいことを示せ。
■振り返り
・ひと目で捉えることができるか。
・他の方法に応用できないか。
メモ
PSSC物理学(第2版)が読める環境にあったので立ち読みしてみた。
時間・空間・物質という分類がすっきりしているのはいいとして、教科書のスタート地点が人間の感覚になっているのが驚きだった。
運動→波動→力学→電磁気という構成だったはず。運動と力学の分類がまだ頭の中ではっきりしてない。なぜ分ける必要があるのか。
今度読めるチャンスがあるときはその疑問を解消しようと思う。
勉強の状況
数学
志村五郎さんの「数学をいかに使うか1・2」を勉強中。これ以上効率的な勉強方法は思いつかない。
「つまらぬ本を百冊読むよりは、優れた本を百回読む方が、はるかにためになる。」
はアラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ)の言葉らしいが、志村さんの2冊はこの意味での優れた本と思われるので、繰り返し時間をかけて咀嚼している。自分はいままで無為な時間を過ごしてきたので、短時間のうちで有用な知識を血肉にしなくてはならない。
物理
ひとまずセンター試験レベルの高校物理の記事を執筆するべく勉強中。必要となる知識が少ないところがよい。例えば力学でいえば、基礎的な概念は「位置と時間・速度・加速度」「運動の法則」「運動量とエネルギーおよびその保存」をしっかり理解しておけば、それで十分事足りる。これらの話をいかにわかりやすく無駄なくごまかさずに述べるかが、腕の見せ所である。その腕を磨くために、現在試行錯誤している。
テンソルを勉強中
テンソル代数の勉強をしているが、ややこしい。だいぶ整理されてきたけど、まだややこしい。その理由は教科書によって書いてあることが異なるからだ。
まず、物理屋と数学屋でテンソルの定義がぜんぜん違う。また、テンソル・テンソル代数・外積・外積代数・ベクトル積などの定義が文献によってごっちゃごちゃだ。集合と演算の区別ぐらいははっきりとつけてほしいものである。
とはいえ、自分が誤解しているだけかもしれない。とにかく、上で述べたような重要な概念をすっきりと完全に説明してくれる本がなかなかない。手持ちの本の中では、北野正雄さんの「新版 マクスウェル方程式」が最も良い。外積内積と線形性の関係を拡張して、重線形性を強調しながらブラックボックスとしてテンソル積を素朴な形で導入するあたりが良い。この本は工学系の教授が書かれた本であるが、行列とテンソルを混同したような雑な説明が無く、テンソル・微分形式・超関数のお勉強にも有用であると思う。とはいえ餅は餅屋なわけで、おそらく世の中には優れた数学の専門書が存在すると思われるので、良い本があるのならば数学の専門書で勉強したい。いい本ないかなー。